調査：ブルネイ 01

バンダルスリブガワン

2015.02.05 - 02.06

SEA プロジェクト２回目の調査は、キュレーター全員が初めての訪問となったブルネイから始まりました。豊富な石油・天然ガスの産出によりASEAN諸国の中で国民一人当たりのGDPが２番目に高く、日本はブルネイの最大の貿易相手国となっています。
自らも文筆家として活動しているゼフリ・アリフ氏の協力のもと、海外のレジデンスや国際展へ参加した経験のあるアーティストにインタビューを行いました。約30時間の滞在を終え、ブルネイ航空の離陸前にながれるお祈りを聞きながら、キュレトリアル・チームは次の目的地であるコタキナバル（マレーシア）に向かいました。

熊倉晴子
片岡真実
米田尚輝

レイン・フォレスト・ギャラリー

2015.02.05

熊倉晴子

レイン・フォレスト・ギャラリー（Rain Forest Gallery）は、元在アメリカブルネイ大使で、アーティストでもあるダト・ソフリ（Dato Sofri）が、ブルネイ人作家の作品を買うことができる場所を作りたいと考え、2014年にオープンしたギャラリーです。ギャラリー内でペインティングやデッサンなど、実技を中心としたワークショップも行っており、学生を中心に毎回30名ほどが参加しているとのこと。ブルネイには美術館やギャラリーなども少なく、マーケットもまだまだ小規模であることから、アーティストと観客の両方を育ててゆくことを目指しているそうです。

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ジャメ・モスク

2015.02.05

熊倉晴子

ジャメ・モスク（Jameq Mosque）は、第29代スルタンである現ボルキア国王(King Hassanal Bokiah)の即位25周年に合わせ、1994年に完成したモスクです。国王の私費で建設されたというから驚きです。青を基調とした伝統的なイスラム様式のモザイクタイル、純金のドームは非常に美しく圧倒的な存在感です。また、約5000人が一度に礼拝できる巨大な礼拝堂は国内最大だそう。イスラム教徒以外の訪問旅行者は時間帯によっては入場が可能です。

カンポン・アイール
カルチャー＆ツーリズム・
ギャラリー

2015.02.06

熊倉晴子

ブルネイ川のカンポン・アイール（水上集落／Kampong Ayer）にあるカンポン・アイール・カルチャー＆ツーリズム・ギャラリー（Water Village and Culture Gallery）では、木工、竹細工、織物などの工芸品を紹介するほか、ブルネイの歴史、とくに水上での生活様式、文化についてパネルを使って解説しています。現在のカンポン・アイールには30,000人を超える人々が暮らしており、学校、病院、モスク、商店、ガソリンスタンドなど様々な施設が揃っています。歴史的にもこの場所を中心とした貿易の発達が国の発展を大きく支えており、非常に重要な場所と言えます。

カレイドスコープ・スタジオ

2015.02.06

熊倉晴子

自身もアーティストであるリサ・アフマド（Lisa Ahmad）が2014年に設立したギャラリー。カレイドスコープ・スタジオ（Kaleidscope Studio）は、若いアーティストの展覧会や、ミュージシャンを招いてイベントを行うなど活発に活動しています。また、その他チャリティ・オークションなどの企画運営も行っています。アフマドはイギリスに留学後、マレーシアのクアラルンプールで活動、生活をしていましたが、2013年に帰国、ブルネイのアート・ワールドで自分にできることは何だろうと考え、ギャラリーをオープンさせたそうです。彼女の経験や国際的なネットワークはブルネイの若い世代に影響を与えてゆくのではないでしょうか。

リーガルブルー・
プロダクション

2015.02.06

熊倉晴子

リーガルブルー・プロダクション（REGALBLUE Production）が2013年に制作、発表した長編映画『What's So Special About Rina』は、アセアン国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。ブルネイで制作された長編映画は1968年に公開されたものから実に45年ぶりだったそう。また、当時公開された作品は宗教省のような機関が作成した教育的な目的のものだったそうです。今回の『What's So Special About Rina』は地元の俳優を起用した現代的なテーマの作品で、ブルネイの人々は初めて自分たちの日常的な言葉を映画作品の中で見ることができたのだということです。